障害者を採用した。
配属先も決まり、必要な配慮についても本人から聞いた。
職場の上司や同僚にも説明し、受け入れ準備を整えた。
それでも、数か月後には遅刻や欠勤が増え、本人との会話も減り、やがて退職の相談を受ける。
障害者雇用の現場では、このようなことが起こります。
企業側は、「本人が職場に合わなかった」と考えるかもしれません。
本人は、「やはり自分には働くことができない」と自信を失うかもしれません。
家族は、「もっと早く異変に気づけなかったのか」と自分を責めるかもしれません。
しかし、本当に誰か一人の責任なのでしょうか。
障害者雇用における定着の問題は、本人の意欲や忍耐力だけでは説明できません。
仕事量、指示の伝え方、相談のしやすさ、通勤負担、職場の人間関係、体調の波、家庭生活との両立。
複数の小さな負担が重なり、本人が声を上げられないまま限界を迎えていることがあります。
私は31歳で脳出血を発症し、左半身に重い障害が残りました。
現在は中途重度障害者として、障害者雇用で働いています。
障害者となる前と後では、仕事を終えた後に残っている体力も、通勤に必要な負担も、生活を維持するために必要な時間も大きく変わりました。
職場では問題なく見えていても、帰宅した後は何もできないことがあります。
仕事を続けるために、休日のほとんどを回復に使わなければならないこともあります。
だからこそ、障害者雇用の定着支援は、職場で仕事ができているかだけを確認するものではありません。
本人が、仕事をしながら生活と健康を維持できているか。
困ったときに助けを求められる仕組みがあるか。
企業、本人、家族、支援機関が、それぞれの役割を超えて負担を抱えていないか。
そこまで含めて考える必要があります。
この記事では、障害者雇用担当者、管理職、当事者、家族に向けて、
– 障害者雇用における定着支援の意味
– 早期離職につながる兆候
– 定期面談で確認したいこと
– 合理的配慮の見直し方
– 家族と連携するときの注意点
– 外部支援機関の活用方法
– 企業が整えるべき定着支援の仕組み
を、当事者の視点から整理します。
障害者雇用は、採用した時点で完成するものではありません。
本人が働きながら成長し、企業も支援方法を学び、職場全体が少しずつ変わっていく。
定着とは、その積み重ねによって生まれる結果です。
—
障害者雇用における定着支援とは
障害者雇用における定着支援とは、障害のある社員が職場へ一方的に適応するための支援ではありません。
本人の能力や障害特性と、業務内容、職場環境、指示方法、勤務条件などを調整し、無理なく働き続けられる状態をつくることです。
「採用したのだから、後は本人に頑張ってもらう」
「配慮事項を聞いたので、会社としての対応は終わった」
このような考えでは、定着支援は機能しません。
入社時には問題がなかった配慮でも、担当業務や上司、体調、家庭環境が変われば、合わなくなることがあります。
本人自身も、実際に働き始めるまでは何が負担になるのか分からない場合があります。
特に中途障害者は、以前の自分と同じように働こうとして、無理を重ねてしまうことがあります。
「これくらいはできるはずだ」
「迷惑をかけてはいけない」
「配慮を求めすぎると評価が下がるかもしれない」
その思いが、相談を遅らせます。
定着支援で重要なのは、問題が起きてから対応することではありません。
小さな変化を共有し、働き方を定期的に調整できる仕組みをつくることです。
—
2026年の障害者雇用で「採用後」が重要になる理由
2026年7月から、民間企業の法定雇用率は2.5%から2.7%へ引き上げられます。
障害者を雇用する義務の対象となる民間企業も、従業員40人以上から37.5人以上へ広がります。
これまで障害者雇用の経験が少なかった企業も、新たに採用や雇用管理へ取り組むことになります。
しかし、人数を確保することだけを目的にすれば、採用後に問題が起こります。
仕事内容が明確に決まっていない。
現場の受け入れ準備ができていない。
担当者だけが支援を抱えている。
本人が相談できる相手がいない。
合理的配慮が入社時から更新されていない。
この状態で採用人数だけを増やしても、本人と現場の双方が疲弊します。
障害者雇用で企業に問われているのは、何人採用したかだけではありません。
採用した人が能力を発揮し、働き続けられる職場を設計できているかです。
法定雇用率2.7%は、単なる人数の基準ではありません。
企業の雇用管理、業務設計、情報共有、マネジメントの質が問われる転換点です。
—
障害者雇用で早期離職につながる7つの兆候
障害のある社員が退職を申し出る前には、小さな変化が現れていることがあります。
1.遅刻や欠勤が増える
遅刻や欠勤だけを見て、勤務態度の問題と判断してはいけません。
睡眠の乱れ、服薬の影響、通勤負担、疲労の蓄積、職場への不安などが背景にある可能性があります。
本人を責める前に、いつ頃から変化したのか、仕事や生活で何が変わったのかを確認します。
2.表情や会話が変わる
以前より表情が硬い。
雑談が減った。
質問しなくなった。
面談でも「大丈夫です」としか答えなくなった。
これは、問題がないのではなく、話しても変わらないと諦めている可能性があります。
3.ミスが増える
ミスが増えたときは、能力不足と決めつけず、指示方法や作業環境も確認します。
複数の指示が同時に出ていないか。
口頭指示だけになっていないか。
優先順位や期限が明確か。
作業を中断されることが多くないか。
本人だけを評価するのではなく、仕事の渡し方も見直します。
4.残業や持ち帰りが増える
真面目な人ほど、勤務時間内に終わらなかった仕事を、自分の努力で補おうとします。
周囲と同じ成果を出すために、休憩を削ったり、見えないところで準備したりしていることもあります。
結果だけでなく、その成果を出すためにどれだけの負担がかかっているかを見る必要があります。
5.休憩を取らなくなる
休憩を取らないことは、意欲の高さではありません。
周囲に遠慮している。
休憩を申し出にくい。
遅れを取り戻そうとしている。
休むと怠けていると思われるのが怖い。
そのような心理が隠れている場合があります。
6.相談を避けるようになる
相談が減ったからといって、自立したとは限りません。
過去に相談した際、十分に聞いてもらえなかった。
配慮を求めた後に仕事を外された。
周囲の態度が変わった。
そのような経験があれば、本人は困っていても話さなくなります。
7.帰宅後や休日に生活を維持できなくなる
職場では働けていても、帰宅すると食事や入浴ができない。
休日は一日中寝ている。
通院や家事ができなくなっている。
これは、仕事と生活の合計負担が本人の許容量を超えている可能性があります。
企業が私生活を管理する必要はありません。
しかし、本人の同意を得たうえで、勤務時間や業務量が生活へ与えている影響を確認することは、働き続けるために重要です。
—
定期面談は「問題を探す場」ではない
障害者雇用の定着支援では、定期面談が重要です。
ただし、面談を実施するだけでは不十分です。
「最近どうですか」
「困ったことはありませんか」
と聞くだけでは、多くの人が「大丈夫です」と答えます。
障害のある社員は、相談することで評価や雇用に影響するのではないかと不安を抱えていることがあります。
面談では、質問を具体的にしてください。
業務について
– 現在の仕事量は多すぎないか
– 優先順位は分かりやすいか
– 指示を理解するために困る場面はないか
– 締め切りに無理はないか
– 得意な仕事と負担の大きい仕事は何か
– 周囲へ質問しやすいか
体調について
– 疲労が翌日まで残っていないか
– 休憩を必要なときに取れているか
– 通勤が負担になっていないか
– 通院と勤務を両立できているか
– 体調が悪化する前に現れるサインはあるか
– 不調時にどのような対応を希望するか
職場環境について
– 相談できる相手がいるか
– 人間関係で困っていないか
– 周囲の音や照明、温度が負担になっていないか
– 席や作業場所は適切か
– 障害について必要以上に注目されていないか
– 必要な情報が本人にも共有されているか
生活との両立について
– 帰宅後に食事や入浴ができているか
– 休日だけでは疲労を回復できない状態ではないか
– 家庭内の役割を維持できているか
– 生活環境に大きな変化がなかったか
– 家族や支援者との連携を希望するか
すべてを毎回確認する必要はありません。
本人と相談しながら、現在の課題に関係する項目を選びます。
面談の目的は、本人を監視することではありません。
本人と企業が一緒に、より働きやすい方法を見つけることです。
—
「大丈夫です」をそのまま受け取らない
私は障害者となった後、「大丈夫です」と答えることが増えました。
本当に問題がないからではありません。
迷惑をかけたくない。
仕事を失いたくない。
障害者だからできないと思われたくない。
家族にも職場にも、これ以上心配をかけたくない。
その気持ちから、大丈夫ではないときにも「大丈夫です」と言ってしまうことがあります。
ただし、企業が本人の言葉を信用しないという意味ではありません。
大切なのは、安心して本音を話せる関係をつくることです。
「困っていることを話しても、不利益にはつながらない」
「すぐに仕事を外すのではなく、一緒に方法を考える」
「配慮は特別扱いではなく、仕事を続けるための調整である」
この姿勢を、言葉と行動の両方で示す必要があります。
—
合理的配慮は一度決めたら終わりではない
合理的配慮は、入社時に提出された書類を保管するだけのものではありません。
本人の障害特性、業務内容、職場環境、体調などを踏まえ、本人と企業が話し合いながら調整するものです。
例えば、入社時には週5日勤務が可能でも、業務量が増えれば疲労が蓄積することがあります。
口頭指示で問題がなかった人でも、担当業務が複雑になれば、文書やチャットでの指示が必要になることがあります。
上司が変われば、相談方法や指示の伝わり方も変わります。
見直しが必要になる例として、次のようなものがあります。
– 勤務時間や勤務日数の調整
– 休憩時間や休憩場所の確保
– 時差出勤や在宅勤務の検討
– 業務量や締め切りの調整
– 指示の文書化
– 業務手順の図解やマニュアル化
– 優先順位の明確化
– 相談担当者の設定
– 通院日の確保
– 席や作業場所の変更
– 補助機器やソフトウェアの導入
– 一時的な業務変更
配慮を増やすことだけが見直しではありません。
本人が仕事に慣れ、必要がなくなった配慮を減らしたり、別の方法へ変更したりすることもあります。
重要なのは、本人と確認せずに企業側だけで決めないことです。
—
定着支援を直属の上司一人に背負わせない
障害者雇用では、現場の上司や指導担当者だけが支援を抱えてしまうことがあります。
担当者は本人の業務を支えながら、人事部門への報告、周囲への説明、面談、支援機関との調整まで行います。
これでは、担当者が疲弊します。
担当者の余裕がなくなれば、本人も相談しにくくなります。
定着支援は、組織として行う必要があります。
少なくとも、次の役割を明確にしておきます。
– 日常的に業務を指導する人
– 本人が困ったときに相談する人
– 合理的配慮を判断・調整する人
– 人事や産業保健部門と連携する人
– 緊急時に対応する人
– 外部支援機関との窓口になる人
小規模な企業では、一人が複数の役割を担うこともあります。
それでも、誰が何を判断するのかを決めておくだけで、対応の遅れや混乱を減らせます。
—
家族との連携は本人同意を中心に考える
障害者雇用の定着支援では、家族の協力が役立つ場面があります。
本人の体調が急変したとき。
生活環境の変化が就業へ影響しているとき。
長期休職から復職するとき。
本人が家族の同席や協力を希望しているとき。
しかし、本人が障害者であるという理由だけで、会社と家族が自由に情報を共有してよいわけではありません。
家族へ連絡する前に、原則として本人の意思を確認します。
– 誰へ連絡してよいのか
– どのような状況で連絡するのか
– 何を共有してよいのか
– 家族から何を聞いてよいのか
– 面談へ同席してもらうのか
– 同意を変更・撤回する方法
これらを具体的に決めます。
家族は本人を管理する存在ではありません。
本人が自分の人生を選び続けるための伴走者です。
また、家族の支援には限界があります。
家族へ負担を集中させず、企業や外部支援機関を含めた支援体制をつくる必要があります。
家族との情報共有、本人同意、緊急連絡先の扱いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事
“障害者雇用で企業は家族とどう連携するべきか|本人同意・情報共有・緊急連絡の考え方” (https://newlifestylesdlm.jp/2026/06/21/shogaisha-koyo-kazoku-renkei-honnin-doi-johokyoyu/)
—
家族から会社へ相談があったときの対応
家族から会社へ、
「帰宅後、ひどく疲れている」
「最近、仕事へ行くことを怖がっている」
「服薬や睡眠が乱れている」
と相談が入ることがあります。
このとき、家族の話を一方的に否定する必要はありません。
一方で、本人を抜きにして、勤務条件や業務内容を決定するべきでもありません。
まず家族の不安を受け止めます。
そのうえで、
「お話しいただいた内容は、本人の意思を確認したうえで対応を検討します」
と伝えます。
本人には、
「ご家族から心配の連絡がありました。会社としても、現在の働き方に負担がないか一緒に確認したいと考えています」
と説明します。
家族から連絡があった事実を隠して対応すると、後から本人が知ったときに信頼関係が崩れる可能性があります。
本人、家族、企業の誰かだけが情報を持つ状態を避け、本人を中心に話し合うことが大切です。
—
外部支援機関を早い段階で活用する
企業だけで、障害者雇用のすべてを解決する必要はありません。
本人の同意を得ながら、外部支援機関へ相談できます。
ハローワーク
障害者雇用に関する求人、採用、雇用管理、各種支援制度について相談できます。
障害者雇用の経験が少ない企業は、採用前から相談しておくとよいでしょう。
地域障害者職業センター
障害のある本人への職業評価や職業準備支援、企業への助言、ジョブコーチ支援などを行います。
仕事内容や指示方法の調整に悩んでいる場合にも相談できます。
障害者就業・生活支援センター
就業面と生活面を一体的に支援する機関です。
本人への相談支援だけでなく、企業への雇用管理上の助言や職場定着支援も行います。
仕事だけでは解決できない生活上の問題がある場合、重要な連携先になります。
ジョブコーチ
職場を訪問し、本人と企業の双方に対して具体的な支援を行います。
作業手順、指示方法、コミュニケーション、職場環境などを実際の職場で確認しながら調整できます。
就労移行支援事業所・就労定着支援事業所
本人が利用していた支援機関がある場合、就職後も一定期間、職場定着に関する支援を受けられる場合があります。
本人の特性や有効だった支援方法を把握していることもあるため、本人の同意を得て連携します。
医療機関・産業医・保健師
体調や治療と仕事の両立について、専門的な判断が必要な場合に連携します。
ただし、企業が診断名や詳しい治療内容を必要以上に把握する必要はありません。
仕事上、どのような制限や配慮が必要なのかを中心に確認します。
—
外部支援機関へ丸投げしない
外部支援機関は、企業に代わって本人を管理する存在ではありません。
支援機関から助言を受けても、実際に職場環境や指示方法を変えるのは企業です。
また、支援者だけと話を進め、本人が内容を知らない状態にしてはいけません。
本人、企業、支援機関で、次の点を共有します。
– 現在の課題は何か
– 本人は何に困っているのか
– 企業はどのような対応が可能か
– 支援機関は何を支援するのか
– 誰がいつまでに何を行うのか
– いつ見直すのか
役割分担を明確にすれば、支援機関への依存や企業担当者への負担集中を防げます。
—
障害者雇用の定着を支える5つの仕組み
1.入社前に業務を明確にする
採用してから仕事を探すのではなく、本人の能力を生かせる業務を事前に整理します。
仕事内容、勤務時間、求める成果、指示系統、相談先を明確にします。
2.入社初期の面談回数を増やす
入社直後は、本人も企業も予想していなかった課題が起こりやすい時期です。
入社後1週間、1か月、3か月など、一定期間は短い間隔で確認します。
問題がなければ、本人と相談して面談の頻度を減らします。
3.相談内容と対応を記録する
面談で話した内容、決めた対応、見直す時期を記録します。
ただし、障害や健康に関する情報を、必要のない社員へ広げてはいけません。
記録へアクセスできる人を限定し、適切に管理します。
4.本人が選べる相談先をつくる
直属の上司には話しにくい内容もあります。
人事、障害者職業生活相談員、産業医、保健師、外部支援者など、複数の相談先を用意します。
5.配慮と業務を定期的に見直す
配慮が現在も有効か。
業務量は適切か。
本人の能力を十分に生かせているか。
周囲へ負担が偏っていないか。
本人、上司、人事などで定期的に確認します。
—
定着支援チェックリスト
採用・配属前
□ 担当業務と期待する成果が明確になっている
□ 本人の得意なことと配慮事項を確認した
□ 本人の同意を得て必要な範囲だけ社内共有した
□ 指導担当者と相談担当者を決めた
□ 現場へ必要な説明を行った
□ 緊急時の対応方法を確認した
入社後
□ 入社初期の定期面談を設定した
□ 指示方法が本人に合っているか確認した
□ 休憩や通院の時間を確保できている
□ 業務量と疲労のバランスを確認している
□ 本人が相談できる複数の窓口がある
□ 配慮内容を定期的に見直している
変化があったとき
□ 遅刻や欠勤の背景を本人と確認した
□ 本人を責める前に業務や環境を見直した
□ 本人が希望する支援方法を確認した
□ 家族との連携は本人同意を確認した
□ 必要に応じて外部支援機関へ相談した
□ 対応内容と次の確認時期を決めた
チェックがつかなかった項目は、企業の失敗を示しているのではありません。
これから整えるべき場所が見えたということです。
—
障害者本人が働き続けるために伝えてほしいこと
定着支援は企業だけの仕事ではありません。
本人も、自分の状態や必要な配慮を伝えることが大切です。
ただし、すべてを詳しく説明する必要はありません。
仕事に関係する範囲で、
– 得意な仕事
– 苦手な状況
– 分かりやすい指示方法
– 疲れやすい時間帯
– 不調の前に現れるサイン
– 不調時に希望する対応
– 通院や服薬による勤務上の制約
– 緊急時に連絡してほしい相手
– 家族や支援者との連携希望
を整理しておくと、企業側も対応しやすくなります。
すぐに言葉にできない場合は、紙やメールで伝えても構いません。
支援者に同席してもらう方法もあります。
配慮を求めることは、弱さではありません。
自分の能力を発揮し、働き続けるための情報共有です。
—
障害者雇用の定着は「本人の我慢」でつくるものではない
障害者雇用の現場では、本人の努力によって問題が見えなくなっていることがあります。
周囲に合わせる。
疲れていても笑顔で働く。
休憩を我慢する。
できないことを、時間をかけて補う。
家族の支えによって、翌日も職場へ向かう。
その状態を見て、企業は「問題なく定着している」と判断するかもしれません。
しかし、本人や家族の犠牲によって維持されている雇用は、持続可能とはいえません。
本当の定着とは、ただ在籍し続けることではありません。
本人が健康と生活を守りながら、能力を発揮し、組織の一員として成長できることです。
企業も、特定の担当者や家族の献身に依存せず、仕組みとして支えられることです。
—
まとめ|採用人数ではなく、働き続けられる設計を
2026年7月、民間企業の法定雇用率は2.7%へ引き上げられます。
これから障害者雇用へ取り組む企業はさらに増えていくでしょう。
しかし、採用人数を満たすことだけを目的にしてはいけません。
障害者雇用の本当の課題は、採用した後にあります。
本人が困ったときに相談できるか。
小さな変化を見逃さず、働き方を調整できるか。
合理的配慮を更新できるか。
上司一人や家族だけへ負担を集中させていないか。
必要なときに外部支援機関と連携できるか。
そして何より、本人が自分の働き方を決める話し合いの中心にいるか。
障害者雇用の定着を支えるのは、本人の我慢ではありません。
人が変わっても機能する仕組みと、困ったことを安心して話せる関係です。
あなたの会社では、障害のある社員が「大丈夫です」と答えたとき、その言葉の奥にある負担まで受け止められる仕組みがあるでしょうか。
—
関連記事
家族との連携や本人同意に迷っている方へ
“障害者雇用で企業は家族とどう連携するべきか|本人同意・情報共有・緊急連絡の考え方”
障害者雇用を経営と組織設計から考える
“障害者雇用率2.7%は経営戦略である|2026年に企業が変えるべき採用と組織設計”
障害者雇用を福祉ではなく相互理解から考える
“障害者雇用は福祉ではない|企業と当事者に必要な相互理解”
中途障害者の働き方と人生を考える
“中途障害者のキャリア再設計|障害者雇用で働き続けるために” (https://newlifestylesdlm.jp/2026/04/22/chuto-shogai-career-saiseikei-shogaisha-koyo/)
—
あなたの経験を聞かせてください
障害者雇用で働くなかで、相談できずに苦しんだ経験はありませんか。
企業の担当者として、本人への声のかけ方や家族との連携に迷ったことはありませんか。
家族として、会社へ相談したいけれど本人の立場を悪くしないか不安になったことはありませんか。
この記事が、企業、本人、家族の誰か一人へ責任を押しつけるのではなく、働き続けられる仕組みを考えるきっかけになれば幸いです。
同じ悩みを抱える人へ届けるために、記事の共有やフォローで応援していただけるとうれしく思います。



















コメントを残す