はじめに:障害者雇用の「最終面接」で問われる本質とは?
障害者雇用の転職活動において、「最終面接」は自分の人生とこれからの働き方を語る最終ステージです。特に退職理由・志望動機・希望年収の3つは、論理的に矛盾なく、一貫性のある内容でなければ、企業側に不信感を与える可能性もあります。
この記事では、中途で重度障害を負い、現在も就労を続けている筆者が、自身の最終面接を前に考えた内容を、読者の皆さんと共有します。
第1章:障害者雇用における退職理由の伝え方【例文あり】
1-1. よくあるNG例:「環境が悪かった」「配慮がなかった」
こうした言い回しは、ネガティブな印象を与え、再び同じ理由で退職するリスクを連想させてしまいます。
1-2. 正しい伝え方のコツ:「限界」ではなく「判断」として語る
好印象を持たれる退職理由の例文:
前職では障害への配慮体制が形骸化し、私の身体機能と業務内容との乖離が徐々に広がっていきました。そこで、自身の体調を守りながらも価値を発揮できる環境を求め、前向きな判断として退職を決断しました。
ポイント:
- 「不満」より「ミスマッチ」
- 「逃げ」より「自分を守る選択」
- 「他責」より「自己判断」
第2章:障害者雇用における志望動機の書き方と伝え方
2-1. 志望動機のNG例:「障害者雇用枠があるから」「在宅が可能だから」
制度面だけを理由に挙げると、「誰でもいいのでは?」という印象になりやすいです。
2-2. 「共感」と「価値観の一致」を伝える志望動機の構成
良い志望動機の例文:
御社の掲げる「多様な働き方の尊重」「障害を個性として活かす」という姿勢に強く共感しました。自身も障害を持ちながら働く中で、“支援される存在”ではなく“共に働く仲間”としての関係性を築ける職場を求めており、その点で御社と価値観が一致すると感じています。
ポイント:
- 組織の理念や取り組みと自分の経験・想いをリンクさせる
- 「制度」ではなく「文化」に注目する
- 汎用的でない「あなたの言葉」で語る
第3章:希望年収はどう伝える?障害者雇用での現実と交渉法
3-1. 障害者雇用における年収相場と生活コストの実態
一般的に、障害者雇用における年収は250万円〜350万円がボリュームゾーンですが、中途重度障害者にはそれ以上の生活維持コストがかかります。
- 福祉用具(電動車椅子など)の維持費
- 医療費や通院交通費
- ヘルパーサービスの自己負担
これらを踏まえると、年収360万~420万円という水準は、決して高望みではなく「現実的な生存ライン」でもあります。
3-2. 希望年収を「希望」ではなく「対等な提案」にする方法
伝え方の例:
希望年収については、障害者としての日常生活維持に必要なコストと、これまで培ってきた経験・スキルからの適正を加味した上で算出しております。御社にとっての付加価値をしっかりと提供する覚悟があるからこそ、対等なパートナーとして誠実にご相談させていただきたいと考えています。
ポイント:
- 数字に「根拠」を持たせる
- 「生活防衛」の観点と「職業的正当性」の両方を示す
- 交渉姿勢は「丁寧に、しかし下手に出すぎない」
第4章:障害者として「働くこと」の本当の意味を再確認する
4-1. 働くことは「社会参加」であり「自尊心の回復」
中途で障害を負うと、多くのものを失います。しかし働くことで、「自分にはまだ役割がある」と実感できる。
これは経済的な問題以上に、精神的なリハビリであり、生きる力の源になります。
4-2. 「支援される側」ではなく「支える側」に立つ覚悟
「障害者=配慮される存在」ではありません。
私たちは、支えられるだけでなく、社会を支える一員として立つことができます。
その覚悟が、面接官の心を動かします。
まとめ:障害者雇用の最終面接に向けて一貫性をもった準備をしよう
項目ポイント良い伝え方の一例退職理由自己判断・前向き業務内容との不一致により転職を決意志望動機価値観の共鳴組織の姿勢と自身の想いが一致希望年収数値の根拠と対等な提案障害に伴う生活コストと経験値から算出
おわりに:私たちは「生きること」がすでに挑戦である社会にいる
障害者にとって、この社会で「ただ働く」ことすら、時に高いハードルとなります。
でもだからこそ、私は伝えたい。
生きるだけで難易度の高いこの社会で、働くという選択をすることの尊さを。
そして、支え合う関係ではなく、共に支え合う仲間として社会に立つ意志を。
最終面接は、企業と自分の「対等な語らいの場」です。
過去も、今も、未来も、すべてを誠実に語り、次のステージへと進んでいきましょう。




















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