中途重度障碍者からリハビリに関わっておられる方へ

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1.理学療法士・作業療法士を目指している又は、なったけど患者との関わり方に悩んでいる方へ当事者からアドバイス

最初に結論から言います。

理学療法士・作業療法士の仕事とは「通訳兼カウンセラー」です。

私は脳出血により左片麻痺の2級の重度身体障碍者です。

では、ここで質問:リハビリとは何でしょうか?

「機能回復訓練です。」では不十分です。

「障害をもった方が可能な限りもとの社会生活をとりもどすことを目的とした機能回復訓練」

これがリハビリです。

しかし、私はこれでも不十分だと思っています。

障害当事者、特に私の感覚でお話しすると、PT・OTさんにリハビリを施す仕事の本質をイメージしやすい形でお届けできると思っているので、お話しします。

リハビリ=自分の体とのコミュニケーションです。

この感覚を持っている人は日本でも限りなく少ないと思いますし、福祉の学校でも誰も教えてくれません。

なぜ、私がこの感覚を獲得できたかということは、簡潔に答えると、子育て中に障害者になり子育ての感覚とリハビリで言うことを聞かない麻痺側がなぜかマッチしたからです。

2.体とのコミュニケーション

リハビリ中に限らず中途障碍者は麻痺側とコミュニケーションを続けています。

「なんで動かないんだ。」 「何でもいいから反応してくれ」「なんで伸ばそうとしてるのに曲がるんだ」

でも、体は答えてくれません。

勿論、麻痺の状態によって変わります。

私の例でいうと、4級の左下肢の場合

「そこまで傾いたら倒れるよ」「しゃがもうとしたらコケるよ」「走れないよ」

こんな感じで、私がしたい動きに対して返答が来ます。

この状態なら、PT・OTさんは患者と麻痺側の体との通訳です。

体の反応から、患者の希望に添える最適な動きや訓練を選択し提示することが大切です。

しかし、2級機能全廃の左上肢は、何も話してくれません。

もうガン無視です。

この状態から改善するのは困難ですが、PT・OTさんは諦めずに、関節の可動域を狭めたいためのストレッチや筋肉を固めないためのマッサージをしてくれています。

まるで引きこもっている人が話してくれるのを根気強く声を掛けて待っているようです。

ここは、通訳ではなく、ほぼカウンセラーです。

どちらも、まず相手の話を聞くことが大切です。

恐らく皆さんは学校や職場の先輩から、「傾聴」の大切さを教えられたと思います。

それは本当に大切なことですし、実践していただきたいですが、少し視点を変えることで、皆さんのリハビリという仕事は劇的に楽しくなります。

患者の言葉に傾聴するだけでなく、患者の麻痺側の言葉に傾聴する視点を持ちましょう。

そうすれば、患者の希望に対して体がどう思っているかを掴み、

ある時、「ここまでならできるよと言ってくれるときがきます。」

そのタイミングで、最適なリハビリを提示すれば患者は魔法に掛けられたような気持で、新しい動作を喜び感動し、更に貴方を信頼するでしょう。

リハビリとはその積み重ねです。

Originally posted 2021-03-16 09:06:29.

3 responses to “中途重度障碍者からリハビリに関わっておられる方へ”

  1. […] 私が昔に戻って20代の自分に最も言いたい言葉です。【自分を大切にする生き方】https://newlifestylesdlm.wordpress.com/2021/03/16/%e4%b8%ad%e9%80%94%e9%87%8d%e5%ba%a6%e9%9a%9c%e7%a… […]

  2. […] 110名の理学療法士により日本理学療法士協会が結成された日です。私はいつも大変お世話になっているのですが、なかなか一般的になじみがないと思いますので、理学療法とは何か?について少し書きます。法律には、「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう」と書かれています。私の考えは以前記事にしているので是非ご覧いただければと思います。【中途重度障碍者からリハビリに関わっている方々へ】 […]

  3. […] 福祉とは? 本来の意味は「幸福」と言うものですが、一般的に使われている福祉という言葉は「公的扶助やサービスによる生活の安定、充足」という印象が強いです。福祉にも色々種類があり、障碍者福祉・介護、高齢者福祉・生活保護等の一般福祉などが代表的な物です。では、ダイバーシティ・マイノリティ当事者として私が日本の福祉に何か貢献できないか?そう考えた結果ある答えに行き着きました。中途重度障碍者として日々楽しく過ごし、幸せに生きているところを発信するという事です。人間は誰でもいつ病気や事故で体が不自由になるか分かりませんし、加齢により誰もが必ず不自由になります。そんなことを想像していると、将来が不安になりますよね?今よりも辛くなるのではないか? 生きることすら嫌になるのではないか?誰かに迷惑をかけてしまうのではないか?色々考えだしたらきりがありません。そんな不安を払しょくするのも立派な福祉の役割だと思います。そこで、体が不自由になった中途重度障碍者の私が、この体で降雪地域の田舎で毎日楽しく幸せに暮らしていると発信しているのを見てもらい、日本はもしもの時も工夫と心の持ちようで幸せに生きられるんだと、感じてもらえることで少しでも将来のリスクへの不安が和らぐのではないか?これが私が日本の福祉に貢献できることだと思っています。ですからこのブログを障害当事者のみならず多くの人に届けたいのでどうか力を貸していただきたいと考えています。是非拡散・紹介等よろしくお願いいたします。最後に一言「日本は良い国ですよ!!」【リハビリ関係者の皆さんへ】 […]

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