私自身「障害受容」できているかと言われると、分からないけど前向きに生きてますとしか言えない。
そもそも、当事者も医療関係者も「障害受容」とは何なのか明確に分かっていないのだから厄介だ。
中には、「障害受容」は必要なのか?という議論まである。
私は、聞かれたらその後の人生を生きる上での絶対条件ではないと答えるだろう。
取り繕わずに言葉にするなら、「どっちでもいい。したいならすればいい。」である。
まず、「障害受容」に対して、医療・福祉従事者がどのように教えられるかだが、
私の福祉大卒業の経験から説明する。ちなみに、私の妻は看護師だが全く同じ知識だった。
1.「障害受容」とは
「障害を直視し、障害に立ち向かい、障害とともに生きることも自己の生き方の一つで
ある受け止め、生活していくことである」
しかし、定義を厳密に述べている論文は極めて少なく、また簡単すぎてしまい、誤解が生じてしまう可能性もあります。
2.障害受容の5段階
障害受容には次のような段階があるといわれています。
①ショック期:自分自身に何が起こったか理解できない状態。
→しかし、この時期は長くは続かず少しずつ現実を認識できるようになります。
②否認期:自分の障害から、目を背けて認めようとしない時期。
→気持ち的なショックを和らげる意味で重要な時期。しかし、訓練などには積極的ではなく、この時期が長く続くとリハビリを拒否するなどの影響が出てきます。
③混乱期:「怒り」・「悲しみ」・「抑うつ」などが現れる時期。
→介助者(家族・病院スタッフ)とのトラブルが生まれるやすい時期。しかし、この「怒り」は特定の人に向けられたものではなく、行き場のない怒りを出している事を理解して、受け止めることが大切です。
④解決への努力期:様々な事をきっかけにし、病気や障害に負けずに生きようと努力する時期。
⑤受容期:自分の障害をポジティブに前向きに捉えられるようになる時期。
→ネガティブなものではなく、「障害があっても色々な事が出来る」、「障害があるから別の生き方を味わえた」「社会(家庭)のなかで何らかの新しい役割や仕事を得て活動をはじめ、その生活に生きがいを感じるようになった」という様な状態の事です。
もちろん、全ての人が同じような心理的な変化を経験するわけではありません。しかし、多くの方にこうした心境の変化が現れると考えられています。
3.まとめ
なぜ、「障害受容」が必要なのでしょうか。その答えは、「現状を受け入れることで、障害と折り合いをつけて生活し、共存していく」ことで、その後の生活に活気が出るからです。そこで、「障害とうまく付き合っていく」方法を見つける手伝いをするのが私たち専門職の役割だと考えます。そして、その過程には、寄り添ってくれる人(家族・友人)の存在が必要不可欠であるといえます。
以上ですが、これ本当だと思いますか?
自分が障碍者になったと思ってイメージしてください。
⑤受容期は無理っぽくないですか?
私のように左足不自由だけど歩ける。左腕動かないけど利き腕右だから生活できるひとならわかりませんが、全盲で全く見えなかったら?声が出なくなったら?
下半身不随で車いす生活になったら?頚椎損傷で寝たきりになったら?
どの障害が辛いとか人それぞれなので比べたりはしませんが、頑張れば「障害受容」できるという幻想は、医療・福祉従事者、ご家族・友人の、皆様持たないでいただきたい。
頑張ればできる、世の中そんな甘いものばかりではありません。
一人の中途重度障害者として、「障害受容」のお手伝いをカウンセラーとしてすると心に誓った者としてお伝えしたかったことです。
長い文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
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